ブリュッセルグリフォンとミックス犬の、我が家の2匹の犬たち。
ここに、新しい仲間が加わることになりました。
それは、ダックスフンドの老犬。
と言っても、家族として迎えたのではなく、一時的に預かる事になったのです。
うちのマンションには「犬の飼育は2頭まで」という規約があるため、これ以上犬を家族に迎える事は不可能。でも、新しい飼い主さんが見つかるまでの一時預かりボランティアなら、と、今回初めて保護犬を預かる事になりました。
保護犬の一時預かりボランティアってどんな感じなのか…興味のある方はぜひ、読んでみてください。
保護犬一時預かりボランティア、リアルな体験談です。
老犬ダックスフンド 引き取り当日
私は、愛知県内の犬猫保護ボランティア団体「ドッグレスキューHUG(ハグ)」の活動に参加しています。今までは、愛知県内の動物保護管理センターに収容された子を引き出す、運搬ボランティアのお手伝いを主にしていましたが、今回初めて、保護犬の一時預かりボランティアをする事になりました。
動物保護管理センターから病院へ
我が家にやって来る事になったのは、年明け早々にセンターに迷子として保護された、推定10歳のオスのダックスフンドです。
高齢のため一般譲渡には回されず、団体へ引き取り要請がありました。
2月3日の朝、センターに迎えに行くと、職員さんにリードを引かれ、おとなしく出てきたのが、この子でした。
約一か月もの間センターにいたのに、ストレスでいら立つ様子もなく、人慣れしていました。
ところが車に乗せた途端、遠吠えのような声で鳴き始めました。慣れたセンターを離れる事で急に不安になったようでした。
どの子も必ず、運搬中は、ブルブルと震えるか、鳴き叫びます。
飼い主持ち込みにしろ、迷子にしろ、センターへ収容され、突然知らない人だらけの場所で檻に入れられ、ようやくその環境に慣れたと思ったら、今度はいきなり車に乗せられどこかへ連れて行かれるとなったら・・・それはそれは、とてつもなく不安になると思います。
彼らが少しでも安心できるよう、いつも優しく声かけしながらの移動です。
センターから引き出したあとはまず、協力してくれている動物病院へ直行し、メディカルチェックを受けます。
幸運な事に、この子は、フィラリア他、目立った病気はなく一安心。
ただ、片目が委縮しており、視力がないとの事。先生の診立てでは、何らかの原因で眼球が傷つき委縮したものの、処置をしなかったため、そのまま失明してしまったのでは、との事でした。
※ちなみに、私はボランティア団体のメンバーでもあるので、センターからの引き出しから医療にかけるところまでしましたが、通常の一時預かりボランティアさんへお願いする時は、団体が医療にかけ、トリミングを終えてからご自宅に連れて行きます。
先住犬たちとの初対面
一番心配だったのは、先住犬との相性です。
うちの2匹は基本的にどんな犬にもフレンドリーなのですが、ミックス犬のリスベットの方は、とてもやんちゃでやきもち焼きなので、もしかしたら老犬との生活は難しいかもしれない、と懸念していました。
ところが、いざ対面させてみると、拍子抜けするほどお互いに干渉しあわず、すんなりとなじんでくれました。
家に来てすぐの映像です。(シャンプーしたてで、若干濡れています。)
名前は、これから輝く未来が待っていますように、という想いを込めて、「光」という意味から、レイにしました。
ネグレクトの証
保護管理センターに収容される犬達は、飼い主の持ち込みもあれば、迷子の場合もあります。
レイの場合は、迷子の保護でした。が、捨てられたのではないかと思われる点がいくつもありました。
ボロボロの歯
レイの歯は、本来の白い色が見えないくらいにヘドロのような色の歯石がびっしり付いていました。
そして、リビング中に漂うくらいのとんでもなく酷い口臭…。
元飼い主は、これほどの酷い臭いのこの子と、どうやって暮らしていたのか…普通に飼われているワンちゃん達からは考えられない酷い口内状態でした。
翌日、すぐに病院でスケーリングしてもらい、悪臭は全く気にならなくなりましたが、7本抜歯となりました。
柔らか過ぎる肉球
初めての散歩。嬉しそうに歩き出したレイでしたが、なんだか歩き方がおかしい…慌てて抱き抱えて家に戻り見てみると、肉球から出血していました。
そこで初めて知ったのですが、今まで散歩の経験のないワンちゃんが散歩に行くと、肉球から血が出るのはよくある、との事。
実際、レイの肉球を触ってみると、うちのハナやリスとは違い、驚くほどプニプニで柔らかい…。
これまでほとんど、外を歩いた事がなかったのでしょう。
それなのに「迷子」…?やはり、意図的な遺棄の可能性が高いと思わざるを得ません。
叩いたり蹴ったりといった身体的な暴力がなくとも、適切な飼養をしないネグレクトも、立派な虐待です。
レイ、元飼い主が捨てた事は許せない事だけど、でもそんな環境から抜け出せて良かったよ、これからいっぱい幸せが待ってるからね…と、すやすや眠るレイを見て、思います。
保護犬一時預かり しばしおおらかな心で見守って
ほとんどの保護犬たちは、多かれ少なかれ、心に傷を負っています。
そのため、ペットショップやブリーダーから子犬を迎えるのとは少し訳が違います。
一時預かりをしているメンバーさん達に話を聞くと、とにかく怖がりで、はじめは触る事も難しい子、なぜか男性にだけ吠えまくる子、急に手を動かすとガブっと来る子…様々です。
レイの場合は、人に対する恐怖心は全くなかったのですが、うちに来た日は、とにかくよく吠えていました。
私の脚に抱きつきながらひたすら吠え、少し外で物音がしたら吠え、一度吠えるとしばらくは何をしても収まらず、夜も私の姿が見えなくなると鳴き続けるので、夜はソファで一緒に寝ました。
ソファで抱っこをして一緒に横になると、それはそれは幸せそうに、ううう…と低く小さな声で唸りました。
その時の顔があまりに幸せそうで、やっと安心できる場所に来た…と言っているように見えました。
それから数日は、何かのきっかけで吠えが始まると止まらない、という事がありましたが、数日でずいぶん落ち着きました。
2週間経った今は、私が出かける時と帰宅した時にしばらく興奮が抑えきれず吠える程度で、ずいぶんと落ち着きました。
とにかく寂しがり屋で、家の中でもずっとずっと、トコトコと後をついて来る可愛い子(人間でいうと60手前の立派なおじさんですが..)です。
私が別室に行くと、寝ていてもパッと起きて後追いをし、扉の隙間からじっとこちらをうかがっています。
どうか、一生可愛がってくれる温かい家族と出会えますように…。
それまでは我が家で三匹、しばらく仲良く暮らします。
保護犬一時預かりボランティア まとめ
今回、保護犬の一時預かりボランティアの体験談を書きました。
全国の犬猫保護団体で、一時預かりボランティアを募っています。
殺処分になる運命の子の命を新しいご家庭へ繋ぐ、とてもやりがいのある仕事です。
興味のある方は是非、一度、保護犬一時預かりボランティアの募集をしているお近くの保護団体さんに問い合わせてみてください。
私が所属している、愛知県のドッグレスキューHUG(ハグ)のホームページも参考までに掲載いたします。
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