短い脚がチャームポイントのダックスフンドがなりやすい病気、椎間板ヘルニア。早期に発見すれば手術することなく良くなる病気ですが、症状が進行すると、たとえ手術をしても完治が難しくなります。
今回は、獣医さんに聞いた椎間板ヘルニアの初期症状・予防法などをご紹介します。
ダックスフンドがかかりやすい病気 椎間板ヘルニアとは?
ダックスフンドがかかりやすい椎間板ヘルニア。
椎間板、とは、背骨の間にあるゼリー状の組織のことで、骨と骨の間でクッションのような役割をしています。
その椎間板が変性し、脊髄を圧迫している状態が椎間板ヘルニアです。
椎間板が突出した位置によって影響を受ける神経の部位が異なるため、その症状も異なります。
ダックスフンドが椎間板ヘルニアになる原因は?
ダックスフンドが椎間板ヘルニアになる原因の一つ目は、遺伝的なもの。「軟骨異栄養症」の遺伝子を持っている犬種は、本来柔らかいはずの随核(椎間板を構成するもので、その名前の通り椎間板の中心にある)が1,2歳から変性しはじめ、段々硬くなります。
そうなると、圧力を吸収しきれずに、随核が外に飛び出し脊髄を圧迫してしまうのです。
ちなみに、ダックスフンド以外にも、コーギーやシーズ-、ペキニーズやビーグルなどもこの遺伝子を持っているのですが、椎間板ヘルニアのなりやすさはダックスフンドが断トツだそう。
そして二つ目の原因は、加齢によるもの。
これら二つはどうにもならないですが、三つ目の原因である「生活習慣」は、日頃から気をつけて予防する事が可能です。
それでは、椎間板ヘルニアを予防するために、日常生活で気をつけるべき事を見ていきましょう。
ダックスフンドの椎間板ヘルニア 予防するには?
ダックスフンドを椎間板ヘルニアから守るためにとにかく大切なのは、腰に負担をかけないこと。
飛び降りた際に滑らないようにする
よく、ダックスフンドは階段の上り下りをさせないように、や、段差がよくない、という話を聞きますが、知人でもあるかかりつけの獣医に聞いたところ、特に注意が必要なのは、飛び降りた際につるっと滑るような場合に注意が必要、との事でした。
例えば、ソファからフローリングに飛び降りた時などは、腰にかなり負担がかかるそうです。
対策としては、足裏の毛をこまめにカットする、また、床に滑らない素材のマットを敷くなどして、飛び降りた際に滑らないようにするのが有効です。
静から動の急な動き
例えば、犬がリラックスして脱力状態の時にチャイムが鳴り、急に興奮状態になる時などは、腰に急激な負担がかかるので要注意だそう。
また、両腋の下に手を入れて持ち上げる抱き方も、背中に負担がかかりやすいので避けた方が無難です。
前脚と後ろ脚、それぞれの下に腕を入れて、床と背中が平行に近い状態になるように持ち上げるのが良いでしょう。
適度な運動と適正な食事
基本的な事ですが、適度な運動と良質な食事は、病気にさせないために大切です。
毎日散歩へ連れて行き、体を動かす事を日課にしましょう。背骨まわりの筋肉を鍛えることで、ヘルニア予防になります。
また、肥満になると、背骨に負担がかかり椎間板ヘルニアを誘発する可能性が高まるので、食事にも気をつけましょう。
適正体重を超えてしまったからといって、餌を減らすのは可哀想ですよね。ダイエット用フードを利用して上手にカロリーをセーブしましょう。
また、筋肉の元となるタンパク質を豊富に含んだ良質な餌を与える事も大切です。
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ダックスフンドなどがかかりやすい椎間板ヘルニア 初期症状は?
椎間板ヘルニアは、早期発見・治療で9割ほどは症状が軽快するそう。ただ、進行すると手術でも完治が困難に。椎間板ヘルニアのサインに、早く気づいてあげたいものです。
椎間板ヘルニアの初期症状のサインとしては・・・
- 抱っこを嫌がる
- 段差の上り下りをしなくなる
- 脚を引きずる
- 散歩の時の歩きが遅くなる、あるいは立ち止まって動かなくなる
- 背中を触ると痛がる など
このようなサインが現れたら、動物病院を受診しましょう。
もしも愛犬が椎間板ヘルニアになってしまったら
初期段階なら、痛み止めや消炎剤などを投薬し、安静にさせます。
ただ、この「安静」というのが、犬にとってはかなり困難。人間と違って、普通にしていたら安静状態には出来ないため、数週間、1、2歩しか身動きが取れないような狭いゲージに入れて過ごさせるそうで、これは、犬にとっても飼い主にとってもかなり辛い時間になりそうですね。
重度で麻痺を起こしているようなケースは、突出した椎間板を摘出する外科手術となります。
たとえ、軽度なら手術をしなくてもいい、といっても、狭いゲージに数週間入れるという治療法は、想像しただけでも辛いですし、愛犬が痛い思いをするのは悲しい事ですので、日頃から出来る事をやっていきたいですね。
ダックスフンドの椎間板ヘルニア まとめ
ここまで、ダックスフンドなどがかかりやすい、椎間板ヘルニアについて書いてきました。
私自身、今までこの病気に対して無知だったのですが、ダックスフンドの一時預かりボランティアを始めて、ダックスフンドについて知人の獣医に話を聞いたりして勉強するようになり、知りました。
一時預かり中のダックスフンド、レイ君については、こちらから
椎間板ヘルニアによる脊髄の障害部分から脊髄が壊死する「進行性脊髄軟化症」を発症すると、壊死(えし)が全身に広がって、四肢麻痺や呼吸困難に陥り、数日で亡くなってしまうこともあるそうです。
椎間板ヘルニアは、場合によっては命にかかわる病気でもありますし、何よりも、愛犬が辛い思いをするのは避けたいものです。
普段から愛犬の体調に気をつけてあげましょう。
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